【連絡手段のデジタル化】学校・保護者間における連絡手段のデジタル化の効果や事例を解説

2022年12月19日

今やメールやチャット、アプリでのコミュニケーションがビジネスシーンでもプライベートでも一般的となりました。しかし学校現場では保護者との連絡に連絡帳やプリント、電話を使用しているケースが少なくありません。GIGAスクール構想により学校現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進められている中、学校と保護者間の連絡手段はどのように変化していくのでしょうか。その現状と課題、対策について解説していきます。

学校におけるコミュニケーションのデジタル化に関する現状と課題

連絡手段における課題

現在、学校と保護者間の連絡は紙のプリントや連絡帳、電話によるものが主流です。例えば朝の欠席・遅刻連絡を電話で行っている学校が多く、先生は本来の業務時間外に授業準備などを中断して電話を受けなければなりません。大規模校では100件を超える連絡を受ける場合もあり、電話担当のシフトを組むなどの対応が必要になります。

また、学校側から保護者へ連絡事項を伝える際、紙のプリントでの「おたより」が活用されますが、印刷や配布の労力が発生するうえ、紛失などで保護者に渡らない場合があります。

このように従来の学校と保護者の連絡手段は、先生と保護者の双方にとって負担が大きくなっています。加えて、日常生活では保護者もメールやSMSなどデジタルでのコミュニケーションに慣れているため、アナログの通信手段にストレスを感じる方も増えています。

デジタル化を阻む押印

成績や保健関係などの個人情報、食べ物のアレルギーなど健康に関する内容や、肖像権の承諾などは、学校がトラブルなどに備えて保護者の押印を求めており、それもデジタル化が進まない要因の一つでした。

2020年6月に内閣府、法務省、経済産業省で押印についての考え方が整理されました。これを受けて2020年10月、文部科学省は教育委員会に「学校が保護者等に求める押印の見直し及び学校・保護者間における連絡手段のデジタル化の推進について」を通知しています。

その中で、押印の効果は限定的であることから、内容によっては押印手続きを省略してメールでの配信を行うことや双方向での情報伝達が可能な専用ソフトウエアの活用などについて言及しています。他にも同省のホームページなどで具体的なオンライン化の方法について紹介を行うなど、デジタルへの移行を積極的に促しています。

連絡手段のデジタル化の取り組み事例

連絡手段をデジタル化すると実際、どのような効果がうまれるのかについてご紹介させていただきます。

欠席・遅刻連絡のオンライン化

生徒数の多いT校では朝の欠席連絡業務改善が大きな課題でしたが、学校用の欠席連絡ツールを導入以降は、電話対応が不要になりました。また、学校全体でPC端末から情報を共有するため、伝達漏れが無くなりました。結果として大幅に管理業務を簡素化し、家庭や生徒へのきめ細かいフォローを行えるようになりました。保護者からもスマートフォンから都合の良いタイミングで容易に連絡ができ、朝の忙しい時間帯に慌てて連絡する必要がないと好評です。

お便りのデジタル化

学校からのお便りは、学習・試験や行事に関するもの、給食献立や学年便り、保健関係、保護者面談の日程調整、PTA関係など、種類も頻度も多いのが特徴です。これらをデジタルツールで配信することで印刷・配布の手間や時間を大幅に削減、紙資源の節約にも貢献しています。また予約配信機能で、配信時間に縛られることもなくなりました。

保護者にとっても、スマートフォンで出先から確認できるなど利便性が向上しています。プッシュ通知で見逃しも防げるので、忘れ物の減少にも繋がっています。

保護者向けアンケートのデジタル化

保護者向けアンケートをツールを利用してオンラインで行うと学校はアンケートを作成しツールにアップするだけで、保護者は端末から簡単に回答を行うことが可能になります。先生は印刷・配布に加え、回収や手集計の作業が不要になります。加えて保護者の開封情報や回答状況が確認できます。これにより、アンケートが未読の状態の保護者へのフォローが確実になります。もちろん、保護者もアンケート結果を閲覧することが可能です。

連絡手段のデジタル化の現状と課題

2021年に文部科学省から出された「令和3年度教育委員会における学校の働き方改革のための取り組み状況調査結果」によれば、保護者との連絡のデジタル化を図っている市町村は56.3%、実施に向けて検討中の市町村が32%と回答がありました。従って近い将来、9割近い市町村で連絡のデジタル化の実現が見込まれています。ところが現在導入されている学校でも、紙との併用だったり、緊急時の使用に限っているなど、学校の負担は実際のところあまり減っていない事例が多く見受けられます。

これは、現行のシステムがセキュリティ上の理由で資料を添付できないケースが多く、紙のプリントを配布せざるを得ない状況が生じているためです。

加えて新たなシステムの導入には費用がかかるため、保護者の理解が得られれば導入が可能となる私立校とは違い、公立校では予算確保が難しいことも課題になっています。

さらに有料ツールの導入が前向きに検討されている場合であっても、年度初めに予算が決定するため、そのタイミングを逃すと実際の導入までに時間がかかるのが通例になっています。

連絡手段のデジタル化 事例

しかし、これらの問題を解決するサービスとして、Classiが提供する『tetoru(テトル)』をご紹介します。

『tetoru』は、おたよりなどの資料添付が可能な連絡配信機能、欠席連絡機能、名簿登録などに絞ったシンプルな機能の保護者連絡ツールです。公立小中学校と教育委員会からの申込の場合、機能の全てが無料で提供され、広告も表示されません。学校は欠席連絡の電話対応や紙のおたよりの印刷、配布などの事務業務が不要になります。またこれらの情報を一元化して管理できます。参考:学校のICT化を支援する保護者連絡ツール『tetoru』

最後に

連絡ツールの導入は、保護者の利便性を向上し、学校と保護者間のコミュニケーションを円滑にするだけではありません。学校にとっては電話連絡のための早出対応がなくなるほか、書類印刷・配布・シュレッダーなどの作業が省力化され、多くの時間を要していた連絡業務の負担が軽減されます。これは過重労働が問題となっている先生の働き方改革実現の一助となり、今まで以上に余裕を持って児童や生徒と向き合えることでしょう。同時に、書類が削減されるため紙資源とゴミも減らすことできるようになるため、SDGsの観点でも未来志向な学校運営の推進が可能となります。

 

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